《もっと知りたい!③》気候変動に具体的な対策を

 SDGs への理解を深めたい人にお薦めの本をJICA 筑波図書館の司書、松田ミカさんに紹介してもらう「もっと知りたい」。今回のテーマは「気候変動に具体的な対策を」です。


わたしたちの家が火事です

地球を救おうとよびかけるグレタ・トゥーンベリ

鈴木出版(2020年)

作/ジャネット・ウィンター

訳/福本友美子

若き環境活動家の訴え

 グレタ・トゥーンベリさんは15 歳の時、学校で環境の話を聞きました。地球がどんどん暖かくなって南極の氷も溶けてきたこと、動物たちの命も、私たちの命も危ないこと。それから、地球の温暖化についてたくさん本や新聞を読み、テレビも見ました。頭の中は悲しみでいっぱい。どうしたら、みんなにもわかってもらえるの? 学校を休み、スウェーデンの国会の前でストライキを始めました。少しずつ他の子どもたちも集まり、やがて活動は世界に広がっていきました。現在は「気候変動と環境危機 いま私たちにできること」(河出書房新社= 2022 年)という446ページもの本の編著者でもある、確かな知識を持った環境活動家です。


最近、地球が暑くてクマってます。

シロクマが教えてくれた温暖化時代を幸せに生き抜く方法

文響社(2021年)

著者/水野敬也、長沼直樹

監修/江守正多

シロクマ親子がプレゼン

 気候変動によって絶滅の危機にさらされているシロクマ(正式名称:ホッキョクグマ)の親子が、地球温暖化を止めるため、私たち人間にプレゼンする…という形式の読みやすい本です。シロクマの親子の写真も満載。「クマってます」的なダジャレも満載。ほほえましい展開のように見えて、中身はしっかりと問題点を突いてきます。そうです、私たち一人ひとりの行動で、クマ、もといクニを動かし、地球を救うことができるはず。クマ母さんの「夢」のくだりでは、目頭が熱くなりました。巻末には、詳細かつ分かりやすい解説があり、参考文献・参考ウェブサイトの案内もあります。入門書としても、深い理解にもつながる本です。