茨城県関連企業・団体新年展望

2024

「木を活かす」製品に注力

大建工業㈱高萩工場
工場長 榎並 宏泰

 大建工業高萩工場は1977年に操業を開始しました。木質繊維板の一つである「インシュレーションボード(IB)」を製造しています。工場の敷地面積は約12万平方㍍、従業員数135人のうち95%は地元採用です。サステナブルな、木を活かすものづくりのやりがいを感じながら、皆生き生きと働いています。

 高萩工場で製造するIBの原材料は、利用されずに産業廃棄物になっていた建築廃材や製材端材です。建築廃材の原料比率は約95%と高く、IBは環境にやさしい製品です。IBは木材チップを繊維にして板状に成型します。多くの空気層を含むため断熱性や吸音性、クッション性に優れ、畳床や外壁下地材、建築現場の養生材など多用途に使われています。例えば、現在市場に流通する畳の約7割に、当工場のIBが畳床として使われています。

 使用済みのボードもリサイクル可能で、環境配慮型の基材として注目されています。地球温暖化対策や森林資源活用の観点からも、木材・木製品の利活用は加速しています。樹木は光合成で二酸化炭素(CO)を吸収して大きくなり、炭素を固定(貯蔵)していきます。街中で建物や内装に使用される木材・木製品が増えれば増えるほど、固定される炭素が増え、大気中のCOが減ります。このように、木材をマテリアルリサイクルするIBはCO削減にも貢献する素材、ということです。

 1945年の創業以来、磨き続けてきたサステナブルな発想と技術が当社の強み。環境負荷が少ない製品の特長を多くの方々に知ってもらい、用途開発にも力を入れ、人々の暮らしに貢献していきたいと考えています。


高萩市赤浜160-1 TEL0293-23-6511㈹
主な生産製品/木質繊維板(インシュレーションボード)  設立/ 1977年5月 


https://www.daiken.jp/

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