茨城県関連企業・団体新年展望
2024
持続的な地域へ向け共創
茨城大学
学長 太田 寛行氏
今年は茨城大学の創立75周年という節目の年です。加えて最初のルーツ校である拡充師範学校の創設からは150周年を迎えます。鈴木亰平初代学長は第1回入学式で「野心満々たれ」と呼びかけました。今年もこの言葉を胸に、特に3つの視点で大学運営に取り組む所存です。
ひとつは「スチューデント・サクセス」です。学生の学修達成状況のデータをもとにした現場主体の教育点検・改善の取り組みは本学の強みです。今後は学生自身も学修データを確認して活かせるようにし、大学として学生ひとりひとりのサクセス、すなわち「なりたい自分になる」をサポートするという視点で、支援体制の整備を進めます。
2つ目は、「サステイナビリティ学の拠点」です。本学は国連のSDGs宣言以前から気候変動の適応策の研究・教育をベースとした「サステイナビリティ学」の実践に取り組んできました。昨年はカーボンリサイクルエネルギー研究センターの設立があり、さらに微生物によるCO2資源化の研究などがGI基金事業に採択されました。適応・緩和の両輪を融合させた先進的な取り組みを核として、ASEANを中心にアジア地域へと広がるネットワークを確立していきます。
3つ目は、「コミュニティ共創」。4月に学士課程の新組織「地域未来共創学環」を開設します。34企業・20自治体の協力により、有給の実習を課程に組み込んだ「コーオプ教育」が目玉です。その他、地域産業のDXを念頭に置いた、工学部・理工学研究科の情報工学分野の増員など、地域社会との共創体制を教育課程に組み込むことで、地域における人材の育成・還流を組織的に推進していきます。
水戸・日立・阿見にキャンパスを有し、人文社会科学・教育・理・工・農の5学部と大学院に加え、2024年4月には新たな学士課程の組織として地域未来共創学環を開設する
茨 城 新 聞 社