《もっと知りたい!①》外国につながる子どもへの支援

 SDGs への理解を深めたい人にお薦めの本をJICA 筑波図書館の司書、松田ミカさんが紹介する「もっと知りたい!」。今回は、外国につながる子どもへの支援について知る本です。


Q&Aでわかる 外国につながるこどもの就学支援

「できること」から始める実践ガイド

明石書店(2021年)小島祥美編著

就学支える事例紹介

 日本国内には、学齢期であるにもかかわらず、学校に通っていない不就学の外国籍の子どもが実在します。2019年度の調査で全体(12万3830人)の6人に1人(18.1%)が学校に通っていなかったのです」(本文より抜粋、要約)。外国につながる子どもたちの就学を支える体制の必要性を感じた編著者が呼びかけ、各地で活動する支援者たちが執筆したのが本書。Q&A形式なので、知りたい部分から読んでいただいてもOK。現場で直面する豊富な事例が紹介されています。 巻末におススメの支援教材リスト、国内各地の進学・進路相談ができる窓口リストも付いています。すべての自治体、教育機関に備えてほしい1冊です。


市民による多文化ソーシャルワーク

Multicultural social work by citizens

多様な人と組織がつくるこれからの福祉と共生社会

茨城 NPOセンターコモンズ発行(2024年)横田能洋著

出身国問わず共存を

 著者は水戸市と常総市で活動している茨城NPOセンターコモンズ代表、横田能洋さん。「この冊子で紹介する事例は、当会が外国籍住民に関するなんらかの 相談対応を行った事例です。2022年8月から2023年9月までの約1年間で107件ありました」(本文より抜粋)。常総市では、住民の約1割が外国籍(!)です。そこで始めた著者の活動は、出身国にかかわらず社会的弱者を支え、共存していこうという想いが根底にあります。同じ著者による「空き家を活用した居住福祉と多文化共同生活の実践」も、おススメです。


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