
茨城県関連企業・団体新年展望

2025

物流革新へ理解と協力を
沼尻産業㈱
代表取締役社長 沼尻 年正氏

昨年4月に、自動車運転業務の時間外労働の上限が年960時間に制限される「働き方改革関連法」が施行されました。「物流2024年問題」が生じ、トラックドライバーが1日に運べる荷物の量が削減され、物流事業者はビジネスモデルの転換を迫られた大変革の年でした。
全国には約6万3000社の運送事業者があり、過半数はトラック保有10台以下の事業者です。昨今の人手不足や燃料費高騰により、倒産や廃業、売却する事業者が増え、本年もその流れはさらに増大するものと考えております。運びたくとも運べない時代がそう遠からず来てしまう危機的状況であると感じています。ある資料によると、現状の労働条件が変わらない限り、30年には我が国の輸送能力が34.1%不足するというデータが出ており、物流という社会インフラが大きな岐路に立たされています。
こうした中、国も物流革新に向けた政策パッケージというガイドラインを出し、①商慣習の見直し②物流の効率化③荷主・消費者の行動変容―を3本柱に革新を推し進めています。いずれも物流事業者のみで達成するには不可能です。荷主や消費者、社会を巻き込み、サプライチェーン全体で「物流革新」への理解と協力を求めていかなければなりません。物流は国民生活を支える重要な社会インフラです。災害時に被災地へいち早く物資を届けることも、われわれの重要な使命です。
全国300万人以上の物流に関わる仲間たちが、昼夜問わず24時間365日、皆さまの生活を支えています。業界を挙げて物流革新に取り組んでおりますので、皆さまの深いご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
つくば市榎戸783-12 TEL029-837-1501 創業/1962(昭和37)年 事業内容/つくば市を中心に27カ所、6万坪以上の物流センターを運営する総合物流企業

茨 城 新 聞 社