茨城県関連企業・団体新年展望
2025
学修者本位教育へシフト
茨城大学
学長 太田 寛行氏
昨年は、「地域未来共創学環」という分野・文理横断型の学部相当組織を開設するなど、大きな教育改革に取り組みました。その44名の第一期生たちを含め最近の学生たちを見ていると、入学前から社会課題へのビジョンをもち、そこに自分がどう関わっていくかということを意識している姿を感じることが多くなりました。背景には初等・中等教育が確実に変わってきているということもあれば、世界中の同世代の人たちと刺激し合えるというメディア環境の変化もあるかと思います。
大学としても、こうした新しい視野をもった学生たちの願いを見つめ、学修者本位の教育へとシフトしていく必要があると考えています。あわせて、生活や心身のケアが必要な学生たちへの対応も強化していかなければなりません。そのような思いから、「スチューデントサクセスセンター」という、国内の大学でも珍しい名前をもった、教育・学生支援のワンストップセンターを昨年立ち上げました。今年は大学運営への学生参加のあり方なども具体的に探っていきたいです。
研究面では、今年4月に、農学分野から気候変動の緩和策に取り組む「グリーンバイオテクノロジー研究センター」を新設します。地球・地域環境共創機構、カーボンリサイクルエネルギー研究センター、原子科学研究教育センターに続く、「総合気候変動科学」の創成という本学の野心を支える四本目の柱です。海外大学との交流も加速化する中、世界の持続可能性を支える地域の重要な拠点となるべく、研究と社会実装に取り組んでいきます。
それには地域の皆さまとの連携が不可欠です。本年もよろしくお願いいたします。
昨年創立75周年を迎えた総合国立大学。人文社会・教育・理・工・農・地域未来共創学環の6学部・学環と大学院の4研究科のほか教育学部附属学校園などを有する。
茨 城 新 聞 社