茨城県関連企業・団体新年展望

2025

地域医療確保へ連携強化

水戸赤十字病院
院長 野澤 英雄

昨年は激動の一年でした。1月の能登半島地震では、災害救護に奮闘し、当院からはDMAT、災害医療コーディネートチーム、救護班、こころのケア要員と、延べ26人の職員を被災地へ派遣しました。前院長の急逝に伴い、4月に、私は当院の第10代院長を拝命いたしました。まさに青天の霹靂(へきれき)でしたが、関係各機関や地域の皆さま方のお力添え、そして職員たちの支えがあって、新院長としてこの一年を走りきることができ、心から感謝申し上げます。

昨年、診療報酬改定が行われ、改定率がプラスとなりましたが、それ以上に医薬品などの材料費や光熱水費など、物価上昇による医業費用の増加が著しく、今後もこのような厳しい状況が続いていくものと考えております。また、急速に進む後期高齢者人口の増加や労働力人口の減少といった人口構造の変化は、病院経営にも大きな影響を及ぼしており、地域の医療提供体制を確保するうえでも、今後、不足する診療機能は地域の医療機関との間で補い合う連携体制の強化が、重要な課題となってくると思われます。

昨年12月、当院に新リニアック棟が開設し、より精度の高い放射線治療が可能になりました。これに甘んじず、さらなる医療提供体制の充実を図るため、医師の確保はもとより、地域医療機関との連携強化、DXの推進による労働生産性の向上などに全力で取り組んでまいります。

併せて、障害者雇用の促進、女性活躍、人材の育成、さらには地域貢献や情報発信などによるブランディングの推進にも力を入れてまいります。

「地域に愛され、信頼される病院」として地域の皆さまにお応えできるよう、職員一同まい進していく所存です。


水戸市三の丸3-12-48 TEL029-221-5177 開設/1923年6月14日 許可病床数/387床 指定・認定/災害拠点病院、第二次救急医療機関、地域周産期母子医療センター、茨城県がん診療指定病院 ほか


http://mito.jrc.or.jp/

茨 城 新 聞 社