防災・危機管理部長 横山卓生さん

消防団員の負担軽減

よこやまたかお 神奈川大法学部卒。1991年入庁。防災・危機管理部次長を経て2025年4月から現職。水戸市在住。56歳。


- 防災・危機管理の強化の取り組みは。

 発災時の逃げ遅れによる人的被害ゼロに向け、市町村と連携し、避難に支援が必要な方に対する支援体制の整備を進め、洪水ハザード内の訓練を実施するなど、住民の避難行動を起こす意識の定着を図っていく。
 避難所の生活環境改善に向け、清潔で快適に使える仮設トイレや防犯ブザー、授乳服といった女性に配慮した物資などの確保や、災害関連死の防止の観点から災害発生時に避難所となる公立小中学校体育館への空調設備の設置を促進する。
 危機管理については、万が一の事案発生時に迅速に対応できるよう、関係機関と連携しながら対策に取り組んでいく。

ー 消防力の強化は。

 地域防災力の中核である消防団については、団員数が減少傾向にある中、団員が活動しやすい環境を整えるため、処遇改善への働きかけや消防ポンプ操法大会の見直しなどの負担軽減に積極的に取り組み、消防団の重要性とやりがいについてのPRを継続していく。
 大規模災害への対応力を強化するため、11月に1都9県の消防職員らが参加する緊急消防援助隊の関東ブロック合同訓練を実施し、地震や津波、大規模火災への対応を検証していく。

- 原子力安全・防災対策の強化の取り組みは。

 県民の安全、安心を最優先に、原子力事業者に対し、安全点検の実施状況や火災事象を含めたトラブルの未然防止の取り組みについて立ち入り調査などを通じて確認、指導していく。
 東海第2原発については、安全性の検証を進めるとともに、国や市町村、関係機関と連携し、万が一の事故に備えた避難計画の策定と検証に取り組む。取り組み状況は、広報紙などを活用し、県民に分かりやすく周知を図っていく。