福祉部長 市村美江さん

介護に外国人材活用

いちむら・よしえ 茨城大教育学部卒。1992年入庁。営業戦略部国際観光課長、総務部知事公室秘書課長、政策企画部県北振興局長を経て2024年4月から現職。59歳。


- 少子化対策は。

 国の「こども大綱」を踏まえ、子どもや保護者たちの意見を取り入れながら、「こどもまんなか社会」の実現を基本目標とする「県こども計画」を3月に策定した。今後は計画に基づき、子どもの権利の尊重や児童虐待防止に加え、結婚、妊娠、出産から子育て期まで切れ目のない支援の充実を目指す。また、晩婚化などを背景に不妊治療が増加しているため、本年度から新たに不妊治療のうち保険適用外となる先進医療にかかる費用の一部を助成し、不妊治療へ取り組まれる人の経済的な負担の軽減を図る。 

ー 介護人材の確保策は。

 超高齢社会が進行する中で介護人材の安定的な確保は喫緊の課題。県福祉人材センターによる無料職業紹介や介護福祉士資格の取得支援、外国人材の活用などにより、広く人材確保を進める。また、介護テクノロジーの導入支援などを通じて就労環境を改善し、人材の定着を図る。
 特に外国人材の活用については、世界最大の人口を有し語学力に優れたインド人材の確保を中心に据え、日本語習得をはじめ、受け入れから育成、定着を一貫して支援することにより、将来にわたり本県で活躍できる人材を確保していく。

- 障害のある人も暮らしやすい社会の実現に向けた取り組みは。

 障害の有無によって分け隔てられることなく暮らしやすい社会の実現を目指し、障害者が夢を諦めずに自らの能力を発揮して活躍できるよう、本年度から障害者アートの商品化などに向けた支援やパラアスリートの活動資金の確保を支援する取り組みを開始する。また、特に重い障害のある人に質の高いサービスを提供するため、整備してきた「あすなろの郷セーフティネット棟」の9月の供用開始に向けて準備を進める。