
産業戦略部長 大竹真貴さん
中小企業賃上げ支援

おおたけ・まさよし 静岡県出身。水戸市在住。京都大大学院修了。2004年経済産業省入省。茨城県産業戦略部次長などを経て現職。45歳。
- 米国の関税措置を巡る県の対応は。
絶えず状況が変化する中、最新の情報に基づき、冷静に対応する必要がある。
県では、産業戦略部、営業戦略部、農林水産部を中心に対応しており、4月上旬に産業戦略部内にワンストップ相談窓口を設置したところ。今後、事業者へのヒアリング等を通じて、県内経済への影響を見極めながら、必要な対策を講じていく。
ー 賃上げ実現への対応は。
本県経済の成長を確実にするには、物価上昇を上回る持続的な賃上げを通じて、経済の好循環を安定して実現していくことが重要である。一定額以上の賃金を引き上げる中小企業等に対し支援金を支給するとともに、生産性向上に向けた設備投資を支援する。
また、賃上げの原資の確保には適切な価格転嫁の促進が必要であるため、県内企業に専門家を派遣して伴走支援を行うほか、発注側企業への要請文の発出や県内各地でのセミナーの開催などにより、社会全体での意識改革と機運醸成に取り組んでいく。
- 企業の人材確保に向けた支援は。
深刻な人手不足が、企業の経営や雇用の維持に大きな影響を及ぼしていることから、人材の確保に向けた幅広い支援を行う。
若者等の県内就職を促進するほか、インド人材に焦点を当て、優秀な外国人材の確保を図る。現地大学で日本語講座を運営し、育成した学生を対象に県内企業でのインターンシップを実施するほか、現地送り出し機関と県内企業の橋渡しなどを通じ、円滑な受け入れと定着を図っていく。
また、本県の不法就労者数が全国最多である現状を踏まえ、「外国人材適正雇用推進宣言制度」を創設し、雇用主の意識を啓発するなど、適正雇用を促進する。
