
農林水産部長 三宅建史さん
意欲ある担い手育成

みやけ・たけし 埼玉県出身。慶応大大学院卒。2005年農林水産省入省。同省大臣官房秘書課人事企画官、県農林水産部次長を経て25年4月から現職。46歳。
- 農林水産業の政策は。
「儲(もう)かる農林水産業」の実現に向け、収益性を高めるとともに気候変動に対応できる力強い事業構造への転換を推進する。
ー 農業の振興は。
2023年5月に策定した「茨城農業の将来ビジョン」に基づき、経営者マインドを備えた意欲ある担い手の育成・確保を進めるとともに、収益性の高い農業構造の実現に向け、ブランド力強化による本県産農畜産物の付加価値向上や、情報通信技術(ICT)活用による生産性向上などを引き続き進めていく。
例えば、ブランド力強化に関しては、常陸牛について本年度から「霜降度合」に加え、牛肉のおいしさに関与するオレイン酸含有量に基づく新たな格付け基準を導入し、トップブランドを目指していく。
また、農林水産部農業技術課内に「有機農業・気候変動対策推進室」を新設し、付加価値の高い有機農産物の供給力の向上を図り、高温などの気象条件に左右されにくい品種開発や安定的生産が可能となる栽培技術の開発等を進めていく。
- 林業、水産業の振興は。
林業では、意欲的な林業経営体に森林の管理・経営を集約し、規模拡大を図ることにより、適切な森林整備を進めるとともに、県産木材の需要拡大を図ることにより、森林資源の循環利用を進めていく。また、今年11月の県植物園のリニューアルオープンに向けて万全の準備を進めていく。
水産業では、原料の鮮度を重視した「常陸乃国しらす」や高い透明度の「霞ケ浦暁のしらうお」などの県産ブランドの販売強化を進める。「常陸乃国まさば」養殖の事業化や、「霞ケ浦キャビア」の市場づくりなどにより、養殖産業の創出についても進めていく。また、水産業の拠点となる漁港の整備を進めていく。
