
企業局長 稲見真二さん
水道事業広域化に力

いなみ・しんじ 筑西市出身。法政大学経営学部卒。1986年入庁。営業戦略部立地推進担当部長、立地推進部長などを経て、2022年4月から現職。63歳。
- 企業局の役割は。
県民のライフラインである安全で安心な水道水を安定的に送ることが大きな使命であり、県内36市町村へ供給している。また、産業活動の基盤である工業用水を250事業所に供給。さらに、雇用創出や産業活性化により地域に活力を生み出すため、工業団地の造成などを行っている。
ー 本年度の事業方針と主要事業は。
人口減少により水需要が減り、経営環境が厳しさを増す中でも、県民の健康で快適な生活を支える水を将来にわたって安定供給することが重要。経営基盤や危機管理対策のさらなる強化を図るとともに、政策企画部と連携して、水道事業の広域化に向けた取り組みをより一層推進する。
今年2月26日には企業局を統合先とする経営統合に向けた基本協定を21市町村と締結するとともに、同日付で水道法に定める法定協議会を設置した。本年度は同協議会において財政運営、総務、運営管理、施設整備・維持関連事務など、経営統合後の根幹に関わる主要な項目についての検討・調整を進めていく。
また効率的な施設管理に向け、人工知能(AI)を活用した浄水場の自動運転や集中監視など、最新のデジタル技術を積極的に活用していく。
地域振興事業では立地推進部や地元の市と連携し、現在進めているフロンティアパーク坂東や常陸那珂工業団地拡張地区の造成工事などをスピード感を持って推進する。
- 中長期の取り組みは。
計画的な事業実施やデジタル技術の導入による業務効率化などにより、経営基盤の一層の強化を図る。関係部局や市町村などとの連携を図りながら、水道事業の広域化を推進し、安全安心な水を継続して安定供給し続けられるよう、真摯(しんし)に取り組んでいく。
