【パートナーシップで目標を達成しよう】協力し合い目標達成を
古河市SDGsパートナー
SDGs の17の目標の最後に掲げられるのが、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」。SDGs の達成に向け、国や自治体、企業・団体、個人が協力・連携し合って取り組みを進めようとする内容で、個別の課題を掲げる他の16の目標の達成にも欠かせない重要な目標だ。個々の取り組みには限界があり、県内でも各自治体で企業・団体によるパートナーシップ制度を設ける動きが広がる。その中の一つ、「古河市SDGs パートナー」や、登録団体の県立三和高校(同市五部)の取り組みを紹介する。
高校生含む69団体が登録
三和高の2年生62人が今月21 日、坂東市神田山の菅生沼天神山公園周辺の遊歩道で、環境学習を兼ねたボランティア体験活動を行った。菅生沼は同高近くを流れる西仁連川の最下流部で、班ごとに沼の水の水質調査をしたり、ごみ拾いを行ったりした。
SDGs の各目標なども念頭に活動した生徒たち。水質調査を行った鈴木遙さんは「人が汚した水は人がきれいにしてから自然に戻して、陸の豊かさを守っていきたい」と話した。ごみ拾いをした渡部力さんは空き缶やペットボトルのごみが多かったことから、「普段からマイボトルやエコバッグを使うことで、ごみを出さないよう意識していきたい」と語った。
同高は昨年10月に古河市SDGs パートナーに登録。環境ボランティアは、SDGsの視点を取り入れて地域課題の解決を目指す探究活動の一環で、2年次に実施している。1年次はワークショップでSDGs について学び、3年次はワークショップのほか、グループごとにテーマを決めて課題研究に取り組む。テーマは環境問題のほか、地元しょうゆ店のメニュー開発や猿島茶の魅力発信、市ハザードマップのジオラマ化など幅広く、本年度は11 月11 日の学校公開でポスター発表する。
同高は卒業後も地元に残り就職する生徒が多いことから、「地域を支える人財育成」に力を入れる。探究企画部長の酒井健志教諭は「今後はSDGs パートナーの企業とも連携し、一緒に地域貢献をしていきたい」と意気込んだ。
できることから実践
古河市は2020 年9 月にSDGs 推進宣言を行い、翌21年度にSDGs パートナー制度を創設。昨年8月には、連携覚書を締結するJICA 筑波と共催で、登録団体を対象に学習会を開催し、相互の交流を図った。登録する企業・団体は22日現在、計69に上る。
県内ではほかに、つくば市や龍ケ崎市、筑西市など多くの自治体が同様のパートナー制度を設けて、協働によるSDGs 推進に力を入れる。
SDGs は2030年を達成期限とする国際目標で、今年が折り返しの年となる。今月開かれた国連の会議で「達成は危機的状況」とされるなど世界情勢が見通せない中、目標達成に不可欠なのがパートナーシップの推進だ。
SDGs の取り組みを個人から地域、地域から世界へといかに広げていけるか。古河市はパートナー制度について「各団体が日頃の活動の中でできることから実践することで、地域におけるSDGs の取り組みが広がっていくことを期待している」と説明した。