《もっと知りたい!④》パートナーシップ

 SDGs への理解を深めたい人にお薦めの本をJICA 筑波図書館の司書、松田ミカさんに紹介してもらう「もっと知りたい」。今回のテーマは「パートナーシップ」です。


世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ

汐文社(2014年)

編/くさばよしみ

絵/中川学

本当の豊かさ、幸福とは

 南米の国、ウルグアイのムヒカ大統領は、給料の大半を貧しい人に寄付し、公邸には住まず、農場で奥さんと暮らしています。質素な背広にネクタイなしのシャツ姿。人びとは親しみをこめて“ ペペ” と呼んでいます。2012年、ブラジルのリオデジャネイロにて、地球の未来について話し合う国際会議があり、ムヒカ大統領のスピーチは世界の人びとの心を打ちました。「貧乏とは、少ししか持っていないことではなく、かぎりなく多くを必要とし、もっともっととほしがることである」。より便利に、より豊かになって、私たちは幸せになったのでしょうか。私たちは、地球に暮らす全ての生命と共存する未来も選択できるのです。


日本に住んでる世界のひと

大和書房(2022年)

文・絵/金井真紀

18組20人のストーリー

 「いま日本に住んでいる外国人は276万635人(2021年12月「在留外国人統計」より)。この数字には、帰化した人や難民申請をした人や訳あって非正規で滞在している人は含まれていないから、実際にはもっとたくさんの「世界のひと」が、同じ空の下で暮らしている。それを考えるだけで、ふわーっと心が広がっていく」(序文より)。北マケドニア、東ティモール、ミャンマー、モンゴル、メキシコ、コンゴ民主共和国…、18組20人の、それぞれのファミリーヒストリーやお国の事情を読んでいると、違いもあるけど、人が生きるってことは同じなんだな、と思う。ご近所で見かけるあのひとには、どんな物語があるのかな?