
茨城県関連企業・団体新年展望

2026

精密に骨削るドリル開発
岩元歯科クリニック守谷
(一社)デンタルインプラントサポート理事 岩元健剛氏

昨秋、歯科インプラント手術で顎の骨に穴を開けるドリル刃をメーカーと協力し、独自開発してきたものが商品化されました。年間で200本以上を施術する中、実際に執刀する立場で理想とする性能やアイデアを盛り込みました。
咀嚼(そしゃく)する際の圧力を受ける方向に真っすぐ金属製のインプラント体を埋入するのが理想です。角度のわずかな狂いで10年、20年後に支える骨がしっかり残るか違ってくるため、コンマ数㍉の誤差内で理想の位置に正しい角度で穴を開ける技術が大切です。骨の形状はお一人ごとに違い、機械加工のように刃を当てられるわけではなく、骨の表面に斜めに当てていきます。骨は硬い皮質骨とやわらかい海綿骨があり一定ではありません。硬さが違うと刃が柔らかい側に流れやすくなるのが施術の難しさです。今回、開発した刃は研削して起始点を形成するとがった先端、途中から目詰まりしにくく横方向にも切削する機能を持つハイブリッド形状で、長さ37・5㍉ほどの小さなものです。形状が途中で切り替わる部分の微妙な仕上げで何度も試作し、完成まで1年半ほどかかりました。既製品の不満を解消し「ズレない」「ブレない」自信作です。当院ではすでに実際の手術で活用しており、学会で発表して以降、同業者からも好評を頂いています。私の頭文字から「KI(ケイアイ)バー」と命名しました。バーは歯科用語でドリルと同じ意味です。手術中の呼びやすさも考慮しています。
悪くなった前歯を抜いてすぐ埋入し、仮歯取り付けまで1日で行う施術など、要求が日々高度化するインプラント術の底上げに貢献していきます。

事業内容/歯科インプラント治療を中心とした歯科医院
日本口腔インプラント学会 専門医(第1205 号)

茨 城 新 聞 社