茨城県関連企業・団体新年展望
2024
技術力で脱炭素化を推進
三菱重工業㈱日立工場
工場長 宮本 義之氏
昨年は、コロナ禍が明け、各国の脱炭素政策による低炭素電源への投資が顕著となり、二酸化炭素(CO2)排出量の少ない天然ガスを燃料としたコンバインドサイクル型タービンの受注が堅調で、日立工場でもタービンや発電機の出荷が続きました。われわれの注力製品である中小型ガスタービンは、カーボンニュートラル燃料へのトランジッションを推進しており、勝田の研究施設において水素専焼の試験を開始し、アンモニア燃料の供給設備を新たに設置するなど脱炭素に向け歩みを進められた良い年でした。
本年は、カーボンニュートラル電源への現実的なトランジッションが加速すると同時に、その調整機能とウクライナ情勢など地政学的なリスクから電力の安定供給を求める動きが一段と進むとみています。また、カーボンニュートラル電源として期待される原子力は、2011年の東日本大震災以来、国内の沸騰水型炉(BWR)は停止したままですが、本年は再稼働が計画されており進展が期待されます。
弊社は2040年に事業全体でCO2排出ゼロを宣言しており、エナジートランジッション推進に貢献します。この実現に向け日立工場としては、高効率蒸気タービンの開発・製造、水素・アンモニアを専焼とする中小型ガスタービンの市場展開、BWR型原子力発電所再稼働に向けた対応に注力したいと考えています。また、発電機部門は4月には三菱電機との間で新会社を設立、この分野のトップを目指します。
日立工場は、歴史ある「ものづくり」工場として確かな技術を礎に、変化を成長の機会と捉え、関係する皆さんが今年も良い年だったと思える一年にしたいと考えています。
日立市幸町3-1-1 TEL0294-20-8000 事業内容/火力発電システムの設計、製造、据付、保守業務
茨 城 新 聞 社