茨城県関連企業・団体新年展望

2024


安定生産力に磨きかける

日本製鉄㈱
執行役員東日本製鉄所副所長(鹿島地区代表) 若松 賢太郎

 昨年の鉄鋼業は、中国の不動産市況の低迷が長期化し、欧米においても金融引き締め等から景気後退懸念が強まり、厳しい状況が継続しました。海外一般鋼材の製品価格が大きく下落する一方、原料価格は高止まりするデカップリングの構造が鮮明化し、2023年度下期の鉄鋼事業環境は未曽有の厳しい状況にあります。

 厳しい事業環境はすぐには改善し難いとの認識のもと、競争が激化する世界の鉄鋼業界を勝ち抜いていくためには、外部環境に左右されない安定した収益の確保が不可欠です。そのためには安全・環境・防災・品質・コンプライアンスといった製鉄所運営の基盤を盤石なものとし、安定した生産活動を行うことが最も重要です。そしてそれを支える人財の育成にもしっかりと取り組んでまいります。

 さらにDXの推進による意思決定の迅速化・課題解決力の抜本的な強化、また女性活躍の推進や多様な人財が活躍できる職場環境の構築など、ダイバーシティ&インクルージョンにも引き続き取り組んでまいります。

 社の最重要課題であるカーボンニュートラルの実現に向けては、研究開発において世界をリードし、総合力世界ナンバー1の鉄鋼メーカーとして社会から信頼され頼りにされる真のグローバル企業としてさらなる高みへ挑戦していく年としたいと思います。

 来年度は中長期経営計画で掲げた構造対策の最終年度となります。本計画の完遂に向けた対応をしっかりと行い、安定生産力にさらなる磨きをかけることで、より一層競争力を高め、社会から欠かすことのできない基幹製鉄所として、地域の発展に貢献してまいる所存です。


鹿嶋市光3 TEL0299-84-2111  事業内容/製鉄、エンジニアリング、ケミカル・マテリアル、システムソリューションの各事業


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