茨城県関連企業・団体新年展望
2025
地域とともにつむぐ未来
東京ガス㈱茨城支社
支社長 氏家 大介氏
近年、猛暑や豪雨による自然災害が多発しており、その主な原因となる温室効果ガスの排出削減は、地球規模で対応が求められる喫緊の課題です。この課題解決に向け、国や地方自治体が2050年カーボンニュートラル(CN)、脱炭素社会の実現を宣言し、地域特性に応じた取り組みを推進しています。
当社グループは、昨年3月に「カーボンニュートラルロードマップ2050」を策定し、国内供給エネルギーにおいて目指す姿を示しました。2050年C O2ネット・ゼロに向け、ガス分野では最新鋭の高効率LNG火力発電をはじめ、他の化石燃料よりも低炭素な天然ガスへの燃料転換を推進します。30年からはe―メタンを導入拡大し、40年にはCN化率5割を目指します。e―メタンとは、回収したC O2と水素を合成して人工的に製造する燃料で、すでに道路に埋設されているガス導管や消費機器をそのまま活用でき、追加社会コストを抑えられます。
電力分野では洋上風力など再生可能エネルギーの拡大に加え、30年代は火力発電の水素転換などを進め、40年代には火力発電のゼロエミッション化を完了し、CN化率をさらに高めます。
茨城県は、日立LNG基地がある重要な地域であり、工業、産業、農業がさかんな地域特性があります。都市ガスの安定供給は今後も変わらず大きな使命ですが、太陽光やe―メタンなどの新しいエネルギーをなるべく早く県民の皆さまに提供できるように励みます。当社がハブとなり、産・官・学・金のステークホルダーをつなぎ、エネルギー総合企業として「共創」の理念を掲げ、地域の課題解決にしっかり取り組んでまいります。
都市ガスの製造・販売、LNG販売、電気の製造・供給・販売、エンジニアリングソリューション事業、海外における上流・中下流事業等
茨 城 新 聞 社