茨城県関連企業・団体新年展望
2025
非常電源、安定供給に尽力
㈱東京電機
代表取締役社長 塩谷智彦氏
昨年は急激な円安に伴う原料費の価格高騰が厳しい中でしたが、利益を確保することができました。
非常用発電装置の製造と販売を手がける弊社は、海外から発電用ディーゼルエンジンを先買いしなければならず、海外調達における為替相場の急激な変化が重くのしかかってきました。事業を継続するための工夫を重ねることで、安定した供給を維持しています。
非常用発電装置は、消火設備や排煙設備などに対し、非常時に電力を供給します。消防法により消防設備とともに自家発電設備の設置が義務付けられていますが、２０１１年に発生した東日本大震災以降は、官公庁をはじめ病院や商業施設などのバックアップ電源としても需要が高まりました。
19年には大型台風などの自然災害による長期停電の事態が多発するのを踏まえ、これまで一般車両では断念していた悪路にも赴ける移動電源車を、建機製造会社「諸岡」と共同開発しました。
さらには、普通自動車免許で運転できる電源車も開発し、非常用発電装置のない店舗を構える銀行などの需要も取り込んでいます。
社会のデジタル化が進み、データセンターサーバーのバックアップ用や冷凍倉庫の非常電源も需要を伸ばしています。
災害・緊急時に企業への被害を最小限にとどめ、事業継続のための方針や体制、手順をまとめた「ＢＣＰ（事業継続計画）」の策定が求められています。人命や企業財産を守るための非常用電源の確保は必要不可欠です。リスク管理の要となる非常用・防災用発電装置の提供に一層努めてまいります。
つくば市桜3-11-1 TEL029-857-4341 創立／1920（大正9）年3月20日 事業内容／自家発電装置の製造・販売
茨 城 新 聞 社