茨城県関連企業・団体新年展望
2025
転換期迎え成長の好機に
日本製鉄㈱
執行役員東日本製鉄所副所長(鹿島地区代表) 安光 和典氏
昨年は、国内外ともに製造業・建設業が低迷し、特にこの下期にかけ世界鉄鋼需要は一層厳しさを増しています。加えて、中国の経済低迷の先行きはいまだ不透明であり、過剰生産による鋼材輸出の増加に伴い、世界各国での通商措置の発動、国内への輸入材圧力も高い状況にあり、国内外の実需およびスプレッドの改善が見込めない危機的な経営環境が継続しています。
足元の厳しい事業環境はすぐには改善し難いという認識のもと、当社が持続的に成長を続けるためには外部環境に左右されない安定した収益の確保が不可欠です。そのために、安全、環境、防災、品質、コンプライアンスといった製鉄所運営の基盤を盤石なものとし、安全に安定した生産活動を行うことが最も重要です。それを支える「人財」の育成もしっかりと取り組んでまいります。
本年は中長期経営計画で掲げた構造対策を完遂し、4月から新たな仲間を迎え入れ、「新生鹿島地区」として新たにスタートを切ります。鹿島地区にとってこれまでにない大きな転換期を迎えていますが、今こそ鹿島地区がまた一つ大きく成長できるチャンスだと捉えています。弊社の中核事業である国内製鉄事業において、鹿島地区が安定生産体制を確立し、コスト競争力をより一層高めることで、ステークホルダーの皆さまから必要とされる製鉄所にしていきたいと考えています。
課題は多いですが、地域の皆さまに支えられて生産活動ができているという感謝の気持ちを忘れることなく、一人一人が自らの役割を確実に実行し、鹿島地区が地域の皆さまから信頼され頼りにされる製鉄所となり、地域の発展に貢献してまいる所存です。
鹿嶋市光3 TEL0299-84-2111 事業内容/製鉄、エンジニアリング、ケミカル・マテリアル、システムソリューションの各事業
茨 城 新 聞 社