茨城県関連企業・団体新年展望
2025
旺盛な電力需要に応える
三菱重工業㈱日立工場
工場長 宮本義之氏
昨年は、各国の温暖化対策が進み、脱・低炭素電源への投資が活発化する中、北米を中心に二酸化炭素(C O2)排出量の少ないコンバインドサイクル発電所向けタービンの引き合いが多く、工場の主力製品である中小型ガスタービンも中央アジア向けに複数台案件の引き合いをいただくなど、市場は大変活況でした。国内では2011年3月以来運転を停止していたBWR( 沸騰水型) 原子力発電所の再稼働が始まり、弊社もそれをお手伝いするなど、電力事業ニーズの高まりが感じられた年でした。
世界を見渡しますと、人工知能(AI)向けデータセンターの増設や電気自動車(EV)の普及など電力需要が旺盛であり、電力市場活況の潮流は25年以降も継続され、エナジートランジッション技術の革新により現実的なカーボンニュートラル電源への移行も進むとみています。このまま世界的にデジタル化(DX)、グリーン化(GX)需要が進むと、ますます電力需要が増す結果となり、新たな脱炭素電源として期待され、弊社でも開発の進む水素・アンモニア専焼によるガスタービンの需要が伸びていくものと期待しております。
電力事業はこれまでにないほどの追い風を受け、活気に満ちあふれた環境にあります。弊社は「40年に事業全体でC O2ゼロ」を宣言し、直接・間接排出とともにバリューチェーン全体でC O2排出量削減を進めます。このような状況にあるからこそ原点に立ち返り、地域との共生、安全と健康を第一に、コンプライアンス順守を徹底の上、一致団結してさらに〝強いものづくり工場〟を目指し、歩みを前へと着実に進めたいと考えています。
日立市幸町3-1-1 TEL0294-20-8000 事業内容/火力発電機器の設計、製造、据え付け、保守業務
https://www.mhi.com/jp/company/location/hitachi
茨 城 新 聞 社