茨城県関連企業・団体新年展望

2024

高付加価値な茨城農業を創る

茨城県農業協同組合中央会・各連合会
会長 八木岡 努

 昨年は心配していた事象が一気に現実化した年でした。一つは地球温暖化による極端な異常気象、もう一つは戦争や人口爆発、大国の嗜好変化などに起因する穀物不足と資材などを含めた価格上昇です。これによって人々の生活も大変になり、農業もかなりダメージを受けました。農家を中心とした支援、政府要請などに動きましたが、この状況は今後も続くと予想されます。短期支援にとどまらず、中長期での計画を見直し、先を見た戦略に急ぎ着手する必要があります。

 国も食料安全保障を見直す動きとして輸入に頼っている小麦や大豆、コーンといった穀物の国産化、特に使用用途としてあげられている家畜飼料や油などをできるだけ国産に切り替えていくように動いています。これらを生産するための肥料や種も、輸入に頼っている現状を見直す必要があります。国産に切り替えるため、農地の集約や利用ルールの見直し、スマート化による効率化の必要があります。

 さらに化学肥料や農薬を減らし、堆肥や緑肥といった国内で生産できる資材へ切り替えることも重要になっています。減農薬、減化学肥料の取り組みを加速し、さらに茨城が先行して取り組んでいる有機栽培へのチャレンジも続けてまいります。そのために重要なことは消費者の皆様に理解をいただき、より美味しく、安心なものを安定的に提供することで、価値の転換を図ることを最重要課題と位置付けたいと考えます。

 我々が生産する農畜産物の価値をお伝えするため、子どもたちや消費者のみなさまへの食育、食べ比べなど体験する機会を今後も増やし、持続可能で高付加価値な茨城農業を創ってまいります。


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